自分が担当する講習のオンライン化を進めていく中で、非言語コミュニケーションが、オンラインでどう伝わるのか考え始めました。対面の直接コミュニケーションであれば、非言語コミュニケーションをあらためて強く意識することはなかったのですが、オンラインでは、ノンバーバルコミュニケーションを考えざる得ない感じです。高木幸子新潟大学教授の論文に以下の記述にあるのは、メラビアンのコミュニケーションの法則として紹介されているものですが、あらためてノンバーバルコミュニケーションの重要性を再認識しています。
”Mehrabian(1968)は、、メッセージ全体の印象を100%とした場合に言語内容の占める割合は7%、音声と音質の占める割合は38%、表情としぐさの占める割合は55%という法則を導き出した。”
言語化されたコミュニケーションでは、伝わったことの全体を100%としたときに7%が言語で伝わり、そのほか、態度や表情、声のトーン、仕草、等々の非言語コミュニケーションで伝わったことが9割以上に上るというもので、ノンバーバルなコミュニケーションが重要であると認識されています。心理的な相互作用を重要視するカウンセリングの場面で、ノンバーバルなコミュニケーションのやり取りが実際になされていて、相談者が意図せず伝わることを感じ取ることをカウンセラー自身も直観的に理解していたりしていると思われますが、言葉以外で感じたことを、実際の現場では、あまり言語化せずに振り返りが不足しているのが実情ではないでしょうか。実際のカウンセリング場面では、カウンセラーは、自分の中で、クライエントの仕草や表情から、何が伝わった、何を感じたか明確に分類して振り返っていますでしょうか?そのようなカウンセラーは、指導場面にいる方以外は、そう多くはないのではないでしょうか。コミュニケーション手段がオンライン化されることにより、ノンバーバルなコミュニケーションをどのように解釈していくのか研究が加速することは間違いないと思われますが、一方であらためて対面のコミュニケーションの場面での言語・非言語コミュニケーションの研究も進められるタイミングがあらためて訪れているのではないでしょうか。
ノンバーバルコミュニケーションがオンラインでどう伝わるのか、また、カウンセラーは、ノンバーバルをオンライン上でどのように活用して、クライエントとの関係構築をよりよいものとしていくのか、クライエントから何をオンライン面談で受容するのか、できるのか、オンライン化により、心理的なコミュニケーションの研究とコミュニケーション手段との関係性が、再度フォーカスされてくると強く感じています。